2026.10.06

新卒1〜3年目の9割超が「仕事に向いていない」と感じた経験あり。若手の早期離職を防ぐコミュニケーションとは

麻生 真奈 株式会社TCD チーフアカウント・プランナー

私たちは、TCDの調査研究ユニット「Culture Insight Lab(カルラボ)」です。ブランディングから生活文化まで、社会や組織の“文化的な動き”を読み解き、その洞察を“TCDスコープ”として発信しています。
今回は、「若手の早期離職リスクと定着コミュニケーション」をテーマに調査を実施しました。
新卒で入社した若手社員が、「この仕事は自分に向いていないのでは」と感じることは、決して珍しいことではありません。
では、その不安は本当に本人の適性によるものなのでしょうか。
今回の調査から見えてきたのは、若手自身の努力だけでは解決しにくい課題と、上司や組織による日常的なコミュニケーションの重要性でした。


ブランディング会社TCD(東京・銀座/兵庫・芦屋/大阪)の調査研究ユニット「Culture Insight Lab」(所長:山崎晴司)は、2026年6月〜7月、全国の30歳以下の新卒1〜3年目の正社員459名を対象に、「若手の早期離職リスクと定着コミュニケーションに関する調査」を実施しました。
若手社員の早期離職は、多くの企業にとって重要な組織課題です。
本調査では、若手が抱える「仕事への適性不安」の背景を探るとともに、自主的な改善行動や上司への相談が、その後のモチベーションや定着意欲にどのような影響を与えるのかを調査しました。


調査結果サマリー:若手の早期離職リスクと定着の実態

今回の調査で明らかになった主なポイントは以下の通りです。

① 入社後に「この仕事は自分に向いていない」と感じた経験のある若手社員は93.2%。
② その主な理由は、「覚えるべき業務量や知識が多すぎる」「予定通りに仕事を終わらせられない」など、適性そのものよりも、実務に慣れるまでの負担や不慣れさ。
③ 約9割の若手が状況を改善するために自主的な工夫や行動をしている一方、半数以上は「状況が変わらない・悪化した」と回答。
④ 「向いていない」と悩んだ際に上司へ相談した若手の約6割は、その後のモチベーションや「この会社で働き続けたい」という気持ちが向上。
⑤ 若手が求めているのは、精神的な励ましだけではなく、「業務の優先順位」「成果物の改善点」「段階的なステップ」といった具体的な実務支援。


若手の定着を促す3つのポイント

今回の調査結果から、若手社員の「向いていないかもしれない」という不安を和らげ、組織への定着につなげるための3つのポイントが見えてきました。

① 相談しやすいオープンな環境づくり
「いつでも頼ってよい」「完璧でなくてよい」という安心感をつくり、若手が本音を話しやすい関係を築くこと。
「何か困っている?」という抽象的な問いかけだけでなく、具体的な業務について声をかけることも重要です。

② 日常的な継続コミュニケーション
1on1などの定期面談だけに頼らず、日々の業務の中で短時間でもこまめに対話すること。
一度相談に乗って終わるのではなく、継続して状況を確認していくことが、若手の安心感につながります。

③ 迷いをなくす具体的な実務指導
業務の優先順位や効率的な進め方、成果物の改善点などを具体的に伝えること。
さらに、仕事を小さなステップに分け、「次に何をすればよいか」を明確にすることで、若手が前向きに仕事へ取り組みやすくなります。


「向いていない」は、本当に“向いていない”のか

今回の調査では、「この仕事は自分に向いていない」と感じた経験のある若手社員が93.2%にのぼりました。
一方、その理由として多かったのは「覚えるべき業務量や知識が多すぎる」「予定通りに仕事を終わらせられない」といったものです。
つまり、若手が感じている「向いていない」という不安の背景には、本人の適性というよりも、経験の浅さから生じる一時的なキャパオーバーや不慣れさがある可能性が見えてきます。

仕事に向いていないと感じた経験に関する調査結果


詳しい調査結果は資料でご覧いただけます

今回ご紹介した内容は、調査結果の一部です。
詳細資料では、若手社員が「仕事に向いていない」と感じる背景や、自ら行った改善行動、上司への相談頻度、対話後のモチベーション・定着意欲の変化、若手が職場に求める具体的なサポートなどを詳しく紹介しています。
若手社員の育成やマネジメント、早期離職防止、組織づくりに取り組まれている方は、ぜひご活用ください。

調査レポートの詳細資料をダウンロードする

[筆者プロフィール]

麻生 真奈

株式会社TCD チーフアカウント・プランナー

企業ブランディングのMVVやストーリー策定、進行管理を担当。クライアントの想いの代弁者になるべく、対話から、企業の「核」や熱意を汲み取って言葉化することを心がけている。

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