2026.08.28
大阪に「TCD Branding Salon」を開設しました。
〜まだ見えていない価値を、対話から見つける場所〜
山崎 晴司 株式会社TCD 代表取締役社長 クリエイティブディレクター

TCDは2026年9月1日より、創業50年目となる50期がスタートしました。この節目に、創業の地である大阪市内に新しい拠点を開設しました。名前は「TCD Branding Salon」。とはいっても、大きなオフィスではありません。大阪・淀屋橋にある小さな一室からのスタートです。
私たちはこれまで、芦屋本社と東京・銀座オフィスを拠点に活動してきました。今回、改めて創業の地である大阪とつながり、関西圏の企業の皆様と、もっと近い距離で関係を築いていきたい。そんな思いからこの場所をつくりました。
ただ、新しい営業拠点を一つ増やした、ということではありません。この小さな場所を、これからのTCDの仕事のあり方を試していく場所にもしたいと考えています。
まだ課題になっていないことから、一緒に考える
ブランドやデザインについて相談するというと、何か具体的な課題や依頼内容が必要だと思われるかもしれません。「ブランドをリニューアルしたい」「新商品のパッケージをつくりたい」「Webサイトを刷新したい」など、もちろん、そうした具体的なご相談も歓迎します。しかし私たちは、そのもっと手前の段階からお話ししたいと思っています。
「最近、会社の見え方が少し変わってきた気がする」
「いい技術はあるのだけれど、その価値をうまく伝えられていない」
「新しいことを始めたいけれど、まだ何をすべきか整理できていない」
「これから会社をどうしていくべきか、一度考えてみたい」
そんな、まだ「課題」と呼べるほど整理されていない話です。目的がある程度固まっているクリエイティブのブリーフィングでは、その範囲のディスカッションに終始しますが、漠然とした思いや違和感など、良い意味で枠のない会話だからこそ、本当の課題が見えてきたり、自社の「当たり前」から新たな価値が見つかることもあります。
TCD Branding Salonも、そんな話をもっと気軽にできる場所にしたいと考えています。お茶でも飲みながら話をする。そんなところから、新しい関係が始まればと思っています。
デザイン会社は、「つくる会社」?
世の中には、たくさんのデザイン会社があります。グラフィックに強い会社、Webに強い会社、パッケージに強い会社、空間に強い会社。最近では、ブランド戦略や経営領域まで支援する会社も増えてきました。
ところが、「では、デザイン会社とは何をする会社ですか」と聞かれると、意外と社会的な定義がありません。一般には、ロゴをつくる、パッケージをつくる、広告をつくる、Webサイトをつくる、といった「何かをつくる会社」という認識がまだ強いように思います。それ自体は間違いではありません。ただ、それだけがデザインの仕事でしょうか。
私が仕事をしていて感じるのは、デザインが必要なのは、何をつくるかが決まった「後」だけではないということです。むしろ、その「前」にある課題や、まだ見えていない可能性を見つけることも、私たちの重要な役割になっていると考えています。
ブランディングデザイン会社を、改めて定義してみる
TCDは自らを「ブランディングデザイン会社」と呼んでいます。では、ブランディングデザイン会社とは何なのでしょうか。50年目を迎える今、私なりに改めて定義するなら、
“ 企業や事業の本質を見つめ、意味や可能性を発見し、
理想を描き、社会に伝わるカタチと価値にしていくパートナー ”
なのではないかと思っています。
私たちは依頼されたものを正しくつくるだけではなく、「何をつくるか」を考える前に、「何を目指すのか」を一緒に考える。ブランドの「支援者」というよりも、企業の未来を一緒に考える「共創者」でありたいと考えています。それが、これからTCDが目指していくブランディングデザイン会社の姿です。
なぜ「Salon」なのか
今回の場所を「大阪オフィス」ではなく、「TCD Branding Salon」と名付けたのもそんな考えからです。Salonという言葉には、人が集まり、語り合い、そこから新しい考えや文化が生まれていく場所、という意味があります。私たちも、仕事の相談という枠にとらわれず、気軽に話ができる場所にしたいと考えています。
まだ机一つから始まった小さなSalonです。最初から完成された場所ではなく、まずはここからスタートし、実際に活用していく中で、この場所に求められる役割を見つけていきたいと考えています。そして今後は、その可能性を確かめながら活動の幅を広げ、「TCD Branding Salon」として、さらに充実させていく予定です。
TCDもまた、50年という節目を迎えました。創業の地・大阪との新しい接点が、これからのTCDにどのような可能性をもたらすのか、私自身も楽しみにしています。
大阪・淀屋橋にお越しの際は、まずはお茶でも飲みながらお話ししませんか。
TCD Branding Salonは、そんなところから始めたいと思っています。
